楽しいゴルフ人生を、イップスとともに歩む!
はじめに
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
これからもゴルフを中心に日記を綴っていきたいと思います。
ゴルフは1987年にはじめてクラブを握り、その間休憩したり、一生懸命したり怠けたり、のめり込んだりと2017年現在まで楽しく厳しく続けています。ゴルフ歴30年という節目にゴルフの魅力や楽しさをアマチュアゴルファーの視点から伝えたいと思いブログをはじめました。
おもしろおかしく読んでいただければ嬉しいです。
こんにちは。
今回は僕自身の経験したイップスとその奮闘記です。
ゴルフ歴に沿ってイップスの発症から現在までを数回に分けて書いていきます。
簡単に説明できないし伝わらないと思うので字数をいただくこと、ご理解ください。
m(_ _)m
一気に駆け上がった絶頂期から、どん底へ頭から落ちますのでご期待下さい。
イップスは今でも解明できていない部分が沢山あります。また、発症パターンや、種類など個人個人によっても違いがあります。ブログを読まれているイップスで悩んでいる方には、まずイップスというものを知ってほしい。そして、受け入れてほしいのです。このブログがそのキッカケになれば本当に嬉しいです。
さて、前文で紹介したようにイップスとは、
子犬の甲高い声を英語で表す「yips」から造られた造語で、
スポーツなどにおいて精神的な要因によって思い通りのプレーができなくなる運動障害であり、誰もが出会う可能性のある精神的な症状で、人の性格やタイプで出る出ないというものではない。
ゴルフでは有名ですが、野球やその他様々なスポーツ、ダンス、演奏などのあらゆる芸術表現等において、今までできていたにも関わらず、突然思い通りのパフォーマンスができなくなる症状だということ。
医学的にはジストニアと呼ばれ、遺伝性や脳卒中などによって起こることが知られているが、同じ動きを繰り返す運動や仕事をする人に見られる場合に「職業性ジストニア」と呼ぶ。
実際「なんですかそれ?」ですよね。
イップス経験がない人からすれば、わからないと思います。
わからないんですよ、当然なんです。
僕も理解してあげることができませんでした。
僕が発症したのは13年前の40才の時。
ゴルフをはじめたのは23才でしたが競技に参加したのは遅くて33才から、本格的に参戦するのは35才でした。
この頃すごくゴルフ環境に恵まれていて。
いまでも親交深い、家田浩人プロのゴルフショップが自宅から車で3分の場所にオープン。反対方向に車で3分走れば300ヤード級の練習場。15分圏内にゴルフ場が5つありました。
ゴルフ上達の大きい要因はやはり家田プロご家族との出会いです。
上のお姉さん二人は、三重県女子ゴルフの国体代表選手や監督も歴任しています。
家田プロの周りのプロ連中とあーでもないこーでもないってゴルフ談義しながらラウンドできるんですよ。
プロショップですからクラブは売るほどあるし、シャフト入れ替えや修理なんかもプロが裏方になって相談やアドバイスをしてくれます。
これ以上の状態が他にありますか?!これだけ揃った環境で恵まれたゴルフ人生を過ごしていました。
36才となる2000年が成績も平均ストロークも生涯ベストの年になります。
もちろん、競技だけじゃなくプライベートやコンペも含めた数字です。
ベストスコア
〇レギュラーティー63ストローク(-9)
〇バックティー67ストローク(-5)
年間平均ストローク
〇72.03ストローク / 68ラウンド
もしかして天才 ?! なんて思ってました。
33才で競技ゴルフに参加してから3年後でしたから勘違いもしますよね。
いわゆる「てんぐ状態」笑笑笑
この頃。
ひとりのプロゴルファーに、、
蚊?ですかってくらい小さな声でこう相談されました。
「実は、、アプローチができないんです⤵️」
僕は二度見しながら、んっ、、アプローチが出来へん?、、そんなことあんの?
「振れんのですよ....。」
「練習のときはまだいいんですけど、本番になると全然ダメなんですよ.......。」
打ち方のこと??
「違うんです、身体が止まるっていうか反応してしまうっていうか、パンチが入ってしまうんです.....。」
そうなの、、上げて下ろすだけじゃないの?!
今思えば、こんな失礼なことを吐いてしまうわけです。
心の声はもっとヒドい。↓
(なんやこの人訳わからん・・できへん言い訳してくんなよ、プロやめて違う仕事したらどーや)、、、、最悪です。
本当にすみませんでした。
深く反省しております。m(_ _)m
しかし、自分がイップスを体験したことで、はじめてこの会話が理解できたのです。
親身になって相手を思いやり、謝る気持ちが生まれました。
イップス経験はある意味財産でもある。今は本心そう思えるようになりました。
これから、これってイップスだったのか・・・という経験をお話します。
時は同年、2000年三重県オープンゴルフ選手権。
舞台は霞ゴルフクラブです。
ここで初イップス症状を2回体験することになりましたが、この時は何のことやらまだ意味不明で気づきません。
引き続き好調なゴルフを維持しながら、予選3年目にして通過した2000年三重県オープンは、初参加でした。しかしながらゴルフの状態は「豚が木に登って天狗のお面をかぶった状態」ですので、初日71ストロークでベストアマ争いに加わります。
豚が木に登っている状態を家田プロが創るんです。
上手に褒めて煽てて自信をもたせます。
初日成績、アマチュア1位69、2位70、3位71、4位72。
二日間競技の最終日です。
前半を終えて、これから勝敗を決するバックナインに突入します。この時、初日2位のアマは同組で3打落として通算1オーバパー。僕も1打落として通算イーブンパー、1打逆転していました。初日1位のアマの成績は2組後ろなので情報が入ってきません。
その後ピンチとチャンスを繰り返しながら、通算イーブンパーで13番パー5、絶好のバーディーチャンスを向かえます。その距離3mは1カップ外すくらいで、まあまあ上りのフックライン。パターに自信を持っていた僕は8割以上入るだろうとアドレスに入りました。
バックストロークがはじまり、いつものように打つだけです。怖さや緊張もない状態でのパットでした。ただ入れることだけを考えて放った瞬間、、ドクン!!と心臓の付近で音がして身体が止まったのです。左側だけ動かなかったという表現がいいのかもしれません、、、。実際、音はしてませんが。
ボールはカスみたいに転がりカップの右手前20㎝で静止しました。
このとき体感イメージとして、至近距離からおもいきりボールをぶつけられて僕の身体に当たってからコロコロ転がりながらカップ20㎝で止まった。
こんな別映像フィルムが今だに心に残っています。
僕は、「何やさっきんのは!?」とちんぷんかんぷん。
もう~、ちゃんと打てや~、何しとんじゃ~、的な感じで自分を責めながらタップインパー。
何が起こったかわからんし、気にもせず、この時はただのミスだと思いました。
ただし、違うイメージまでが心のフィルムに残っているのは気持ち悪さを無意識に感じているからなんですね。
ホールは進みます。15番パー5でバーディーチャンスが再び訪れます。2mのカップの幅も曲がらない、フラットに近い緩い上りのスライスライン。
ジャストタッチでど真ん中から入ってくれました。
13番のようなドクンもなく、普通の緊張感のあるパット。通算1アンダーに戻した僕は、あとひとつ伸ばすことしか考えずに猛進します。
上がり3ホール!
終盤の緊張がピークに達するこの上がり3ホールを伸ばすことしか考えないんですよね、初参加のくせに。あらためて思います、豚の木状態ってマジで超越したメンタル状態だと!!
「豚が木の上で天狗の面」までくると嫌われると思いますが、自分を「豚の木状態」にしてスポーツやビジネスに生かせる訓練ができるのでは・・それを生かしていただければ幸いです。今そんなことを感じております。
少しそれましたね、戻ります。
16番ショートホールでは7m「入った!」と思った瞬間、カップに蹴られてしまいます。パターを落として頭を抱え、ふてくされて歩くのをTVに撮られてしまいました。
次の17番ではピンチを向かえます。
強い前足上がり傾斜の右ラフにボールがすっぽり埋まってしまった。
フライヤーで大オーバーか、当たりそこないで変なとこに飛んでいく感じの嫌なライです。
イメージも何もないままヤケクソで打ったボールは、あたりそこないのフライヤーみたいな感じでグリーン手前にワンクッションしてゴロゴローーーッと奥のピン位置まで転んでいき、1m強のバーディーチャンスについたのです。
カップ右真横についたのでフックラインなんですが、曲がり幅がイメージできません。15番の2mよりはるかに難しい1mでした。あまり曲がらないと決断し、入ってくれと念じたボールは静かにカップに沈んでくれました。
さて、33才で競技ゴルフに参加した雑草みたいな男が、3年後、三重県オープン選手権で通算2アンダーで最終ホールに挑みます。
あと1ホール。
最終18番は475ヤード、パー4。左OBの圧力は半端なくプレーヤーを襲います。
もちろんバーディーホールとは到底言えません。今大会平均は4.5ストロークをオーバーする難ホールです。
ベストアマ獲得。
ボギーでもアンダーフィニッシュ。
ポジティブ、ネガテイブなこと。
色々なことを考えましたし、緊張しました。
ここで面白いのが、18番のティーグランドで豚が木から降りてくるんです。笑笑
さっきまでバーディーしかない!とか息巻き、どこからその自信が湧いてくんの?
みたいな豚が、木からスルスルスルと降りてきます。
降りてきたというより、降ろされました。
ビビったんです、18番の景色に、それと舞台に。
オモロイよね、、こんな一瞬で変わるんやーって思った。笑
そんなこんなで残すはあと1ホール。
なんと!この大事な場面で、2回目のイップス症状を体験することになります。
前の13番よりハッキリと「変」と感じるものでした。
この大会を機に、結果を気にしないで向上を楽しんでいた昨日までのゴルフから、
ボギーを打ってはならない。バーディーをとらなければならない。ショットミスは許せないという「心・考え」に急加速で変わっていきます。
このメンタルはレベル関係なしで誰でも自然に起こる意識です。だけど、「バーディーをとるのにベターなルートを探そう!」や「いいショットを放つために必要な準備をしよう!」という表現に置き換えれば、最終目的は似たものになるけど過程の発想や行動は大きい差になるわけです。
この考え方の違いがイップスに関する要点のひとつだと専門家の先生たちは伝えています。
今回はここまで。
最終ホールの結末は・・・。
次回は底なしイップス沼に頭からハマっていきます。
楽しみにお待ちください。
長文、拝読ありがとうございました。
m(_ _)m
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【プロフィール】
伊藤 源太
1964年生まれ
Pearl Association of Japan
一般社団法人 日本真珠協会
日本が誇る真珠ブランドの発展と世界発信に活動しています。
【ゴルフ主歴】
富山国体 三重県代表
三重県アマ男子チャンピオンズカップ 優勝
PGA中部フィランスロピーダブルス 優勝
中部社会人ゴルフ選手権 優勝
2001~2010 地域ジュニアゴルファー育成会・地元高等学校指導など、ボランティア講師を歴任。
【SNS】
Genta Itoh